増粘多糖類による豆乳使用グルテンフリー米粉パンの品質改善効果

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タイトル別名
  • Effect of hydrocolloid supplementation on quality improvement of gluten-free rice flour bread using soy milk

抄録

【目的】先に演者らは,水の替わりに豆乳を米粉に加え,対粉2.5%の乾燥卵白を添加することで,食パン型で焼成しても気泡の合一や破壊によってクラムが空洞化することなく,膨化性に優れるグルテンフリーパンを調製できることを報告した。ただし,空洞の抑制に卵白を使用するため,卵アレルギーには対応しない。そこで本研究では,乾燥卵白に替わる物質として増粘多糖類に着目し,低アレルゲン物質による豆乳使用グルテンフリー米粉パンの品質改善効果について検討することを目的とした。<br>【方法】製パンには市販の米粉,無調整豆乳,砂糖,食塩,ドライイースト,5種類9品目の増粘多糖類(グアーガム,キサンタンガム,カードラン,メチルセルロース〔MC〕,ヒドロキシメチルセルロース〔HPMC〕)および乾燥卵白を使用した。これらを混合・撹拌して38℃で120分間醗酵し,170℃で40分間焼成することでグルテンフリー米粉パンを得た。パンの内層観察(空洞発生の有無),比容積,テクスチャー測定,官能評価およびRVAによる米粉の糊化粘度測定から,乾燥卵白に替わる増粘多糖類の効果を検討した。<br>【結果】乾燥卵白の替わりに増粘多糖類を対粉0.5%添加して製パンしたところ,セルロース誘導体(MC,HPMC)以外はクラムに空洞が生じたため,セルロース誘導体は乾燥卵白の代替としてクラムの空洞化防止に有効であることが判明した。RVA測定では,セルロース誘導体を添加した米粉は他の増粘多糖類添加よりも粘度上昇が急激であったことから,焼成過程で速やかに生地粘度が増すことで,気泡の合一や破壊が抑制されたと推察した。また,セルロース誘導体添加パンは,乾燥卵白添加パンより焼成1および3日後のクラムはやわらかく,しっとり感やもちもち感が向上したと評価された。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680669987840
  • NII論文ID
    130005489594
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_155
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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