Formalization and classification of dishes by observations on structure in food tissues

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  • 組織構造観察による料理の式化および分類

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【目的】料理において、長い時間をかけて料理の体系化に向けた取り組みが行われており、料理本等では、ある側面から十分認知された分類が見られる。しかし、料理を建築物のように立体の“構造物”として捉え、料理の構造的な視点で科学的に分類したものはほぼ見当たらない。エルヴェ・ティスは、料理を「食材の状態」と「分子活動の状態」の2つの要素で考え、組み合わせることで、あらゆる料理の成り立ちが説明できると提唱した。しかし、ティスはソースをはじめとした一部の食品を料理式で表現しているが、まだ一般的な料理に式を用いた表現はしてはいない。本研究では、試料として主食を取り上げ、組織・分子レベルでの料理の構造を観察し、料理のモデル化・式化を行うことを主たる目的とする。<br>【方法】5種類の試料(米飯、食パン、パスタ、十割そば、ビーフン)の凍結切片を作製した。固定処理後、1%FITC、0.1%ローダミンBイソチアシアネートで染色し、共焦点レーザー顕微鏡を用いてデンプン(要素Ss)およびタンパク質(要素Sp)の組織構造観察を行った。また、電子顕微鏡を用いて、空胞(要素G)の観察も行った。観察像をもとに、各試料のモデル化および式化を行った。<br>【結果】ミクロレベルでは、観察結果をもとに、各試料をモデル化・式化したところ、米飯:(Sp/Ss)⊃Sp、食パン:Sp+Ss+G、パスタ:Ss/Sp、十割そば:Sp/Ss、ビーフン:Sp/Ss、となった。原料が同じ米である米飯とビーフンが異なる分類群に分けられた。また、パスタの分散媒がタンパク質であったのに対して、そばとビーフンではでんぷんが分散媒であった。加工工程や原材料による差が、式にも大きな影響を与えることが示唆された。今後は、テクスチャーとの関係も交えて検討をすることで、物理的なおいしさの解明などに繋がると考えられる。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670056576
  • NII Article ID
    130005489649
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_196
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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