熱・物質移動解析に基づく殺菌価を考慮したハンバーグパティの最適調理
書誌事項
- タイトル別名
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- Heat sterilization and mass transfer analysis based optimal cooking of hamburger patty
抄録
【目的】本研究は畜肉加工品の中でも数多く流通されているハンバーグの調理過程を対象とし,加熱調理における伝熱および収縮変形の解析を行った.その際反転操作に着目し,反転タイミングの違いが及ぼす温度分布および殺菌価への影響を予測し,過不足のない加熱法を提示することを目的とした.<BR>【実験方法】ハンバーグ1個体(90g,直径8.2cm,厚み1.7cm)を,フライパン(直径22cm)を用いIHクッキングヒーターで焼成した.この時,極細K型熱電対(φ0.5mm)で試料中心,表面上下およびフライパンと上部フタによって形成される調理空間内の雰囲気温度を測定した.中心温度が目的温度(20,30,40および50℃)に到達した際一度反転させ,中心温度が75℃以上1分到達時に調理終了とした.また加熱前後の重量,直径および厚みの測定,さらには重量ロスと減圧加熱乾燥法(真空度13hPa)により含水率および油の割合を測定した.<BR>【解析方法】有限要素法による二次元非定常伝熱解析を行った.試料およびフライパン(フタ付き)全体を調理空間と見なした解析モデルを設定し,これを熱移動計算領域とした.さらに水および油の移動は,濃度勾配を物質移動の駆動力とするFickの拡散と,圧力勾配を駆動力とするDarcyの法則に従うとした.<BR>【結果および考察】全ての試料中心および表面上下において,伝熱解析より算出した解析値と実験値の傾向が一致した.また,試料の水および油の重量変化率,さらには形状変化の解析値も実験値と良好に一致した.そこで解析値をもとに調理終了時の殺菌価を計算した結果,中心温度30℃到達時の反転が殺菌価をクリアし,かつ過加熱部分(75℃5分以上)が最も少なったことから,今回の加熱条件において最も望ましい反転タイミングであると考えた.
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 23 (0), 78-78, 2011
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670059136
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- NII論文ID
- 130007016241
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可