調理学実習における調理技能の学習効果に関する研究 第5報

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タイトル別名
  • Studies on learning effects of the cookery skills in the cooking practice (V)

抄録

【目的】 管理栄養士養成課程における調理学実習は、基本的な調理技術や献立作成力を修得する科目であるが、食環境の変化やカリキュラムの改正による調理の知識・技術の低下が問題となっている。従って、学生の現状把握と授業効果の向上を目的に、実習受講前後に基礎的な調理事項に関するアンケート調査を実施し、実習による学習効果を検討した。平成25および26年度に引き続き、食材の調理特性に加えて料理様式や献立作成力に関する解析結果を報告する。<br> 【方法】 平成22・23年度O大学の栄養学科入学生78名を対象に、実習受講前、実習I受講後、実習II受講後の計3回、アンケート調査を行った。調査紙は、食材(小麦粉・豆・茶)の調理特性、料理様式ごとの料理の認知と調理方法の理解、さらに献立作成力に関する質問からなり、認知している料理は選択回答とし、調理方法の理解や献立作成力に関しては、理解度もしくは作成力を3段階評定により回答を求めた。解析は、SPSSを用いてウイルコクソンの順位和検定を行った。 <br>【結果および考察】 小麦粉調理のうち、天ぷらおよび餃子で調理方法を理解している学生の割合が実習I後に有意に増加したが、実習Ⅱ後に低下した(P<0.001)。スポンジケーキなどの小麦菓子では、単回の実習経験による効果が認められた(P<0.001)。豆では、豆腐の種類の認知度は実習I後に9割程度に上昇したが、凝固剤については2割程度であった。あんのうち、こし・粒の認知度は7割程度であったが、さらしは顕著に低く、作り方の理解も同様の傾向を示した。一方、茶の種類別認知度と淹れ方の理解度は相反する結果であった。料理様式では、日本料理の本膳料理は実習前に認知度が著しく低かったが、実習後に5割に上昇した。日本料理・西洋料理・中国料理の献立作成については、「よくできる」「少しできる」と回答した学生が実習I後に増加し(P<0.001)、授業に加えて毎週一食分の料理作りの課題の影響が考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670132864
  • NII論文ID
    130005489632
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_215
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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