市販ミネラルウォーターの官能評価

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タイトル別名
  • An evaluation of human sensitivity to bottled mineral water

抄録

【目的】ミネラルウォーターの消費は急速に増加している。ミネラルウォーターと水道水の味質の識別について高橋ら(2004;日本官能評価学会誌)は統計的に有意に識別できたと報告している。一方、今田ら(2005;食べることの心理学)はミネラルウォーターと水道水のおいしさの差異は認められなかったと述べている。そこで、本報告では両者の味質の違いを統計的に識別できるか調べた。さらに、ミネラルウォーターに対する意識および行動に関するアンケート調査を実施した。<BR>【方法】味質の識別を官能評価法(2点および3点識別試験法)によって調べた。パネルは年齢18~20歳の健康な女子学生28~33名である。7種の市販ミネラルウォーター(六甲のおいしい水、ボルヴィック他)と広島市西区の水道水を使用した。データは、有意差の検定(2項検定)により解析した。意識と行動については、高橋らの報告を参考に質問項目を作成し、本学学生(166名)を対象に質問紙法によるアンケート調査を行った。<BR>【結論】(1)市販ミネラルウォーターと水道水の味質の識別について、統計的に有意に(p<0.01, p<0.05)識別可能であったのは、7種のミネラルウォーターのうち、3~4種であり、おおよそ半数であった。(2)ミネラルウォーターに対する調査によると、本学学生では、日常の水分補給は必要だとしながらも、硬水と軟水の違いがわからない者や自宅にミネラルウォーターを常備していない者も多く、意識は高くないと思われた。(3)調査によって本学学生はミネラルウォ-ターを積極的に飲用していない状況が浮き彫りにされ、そのことがミネラルウォーターと水道水の味質を統計的に有意に判別できなかった理由のひとつとしてあげられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670158976
  • NII論文ID
    130007016365
  • DOI
    10.11402/ajscs.23.0.183.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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