易溶性LMペクチンを用いたミルクゼリーの食感とフレーバーリリース

書誌事項

タイトル別名
  • Texture and flavor release of milk gel prepared with easily soluble LM pectin

説明

【目的】家庭で簡便にゼリーを調製するため、加熱・冷却せずに常温でゼリー食品を調製できる多糖類製剤が市販されている。一般にLMペクチンは加熱溶解を必要とするが、本研究では易溶性LMペクチン製剤に着目し、嚥下困難者用食品用に市販されているグルコマンナンを主体とした製剤を対照とし、テクスチャー特性、官能特性、フレーバーリリースを比較検討することを目的とした。<br>【方法】生クリーム、練乳、ミキサーゲル(含グルコマンナン、宮源、以下G)、基本のペクチンミックス(含LMペクチン、ユニテックフーズ、以下L)、脱イオン水を用いて20℃で硬さが同程度のミルクゼリーを調製した。官能評価は、Gを標準品としてLについて特性項目、嗜好項目を7段階採点法で評価した。物性は、MCR300 rheometer(Anton Paar社)により37℃に昇温し粘弾性の歪率依存性を測定した。香気成分は40℃30分間の固相マイクロ抽出法で捕集し、GCMS-QP2010 plus(島津製作所)により分析した。<br>【結果】官能評価によりLはGに比べて「くちどけ」「食べた時に鼻に抜ける香りの強さ」は有意に高く(p<0.05)、「かたさ」「口に入れた時の粘度」「飲み込む直前の粘度」「口中でのまとまり易さ」が有意に低かった。「鼻で嗅いだときの香りの強さ」は有意な差がなかった。「食べた時に鼻に抜ける香りの好ましさ」「食感の好ましさ」「総合的な好ましさ」は、いずれもLが有意に好ましいとされた。粘弾性の測定より、LはGに比べ温度上昇に伴いG”が速やかに低下した。GC-MS分析では、LはGに比べて複数の成分で揮発した量が多く、口中での香りが強いという官能評価の結果と対応した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670442112
  • NII論文ID
    130005481378
  • DOI
    10.11402/ajscs.26.0_64
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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