Hardening phenomenon of various beans influenced by storage and soaking in hot water

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  • 豆の硬化に及ぼす貯蔵および温水浸漬の影響

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【目的】豆を高温高湿下で貯蔵すると硬化が起こることが知られている。また,野菜の硬化は主に60℃付近の低温域で顕著にみられる。乾物である豆は保存性の高い食材であり,調理の際には浸漬処理を必要とすることから,貯蔵および温水浸漬処理による豆の硬化が加熱時間に影響すると考えられる。そこで,本研究では豆の硬化に及ぼす貯蔵および温水浸漬の影響について検討することを目的とした。<br>【方法】試料は大豆,金時豆,八升豆の3種を用いた。貯蔵条件は‐20℃,4℃/35%,4℃/80%,20℃/60%,30℃/75%,貯蔵期間は0~11ヵ月とし,浸漬温度は,20℃,50℃,60℃,70℃,80℃,浸漬時間は0~24時間とした。貯蔵および浸漬処理後に試料を加熱し経時的に硬さを測定した。また,ペクチン分画および定量(カルバゾール法),金属イオンの定量(原子吸光光度計),たんぱく質の定量(ケルダール法),でんぷん糊化温度(DSC),SDS-PAGEを測定した。<br>【結果】すべての豆に共通して30℃/75%貯蔵では3ヶ月後より硬化が生じ,金時豆と八升豆では4℃/35%,20℃/60%貯蔵においても硬化した。いずれの豆も50℃~70℃浸漬8h以降に硬化がみられ,豆も野菜と同様60℃付近で硬化することが示された。また,豆の硬化に吸水率の変化は直接関わっていないことがわかった。成分変化として,30℃/75%貯蔵により硬化したすべての豆でたんぱく質の不溶化がみられた。金時豆と八升豆において,硬化した豆ではたんぱく質が変性し,その影響によりでんぷんの糊化が妨げられたことが示唆された。また,硬化した八升豆ではたんぱく質同士の相互作用が示唆された。豆の硬化には貯蔵,温水浸漬ともに影響を及ぼすが,現象,機構は品種により異なることが示唆された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670456192
  • NII Article ID
    130005489761
  • DOI
    10.11402/ajscs.27.0_63
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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