マイクロバブルオゾン除菌の野菜の劣化抑制効果

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タイトル別名
  • Inhibitory effect of microbubble ozone treatment on deterioration in the quality of fresh-cut vegetables.

抄録

【目的】高齢化社会、単身化、女性の社会進出等の社会環境変化に伴い、カット野菜の需要が拡大している。一般的にカット野菜は塩素系の除菌剤による除菌処理が行われており、野菜の食味変化や褐変等が課題となっている。本研究では、野菜本来の食味・外観を維持したカット野菜の製造を目的に、マイクロバブルオゾンを用いて除菌処理を行い、塩素系除菌剤処理との食味・外観の違いについて評価を行った。<br><br>【方法】オゾンガスを生成する原料ガスとして酸素ガス用い、20g/Nm3のオゾンを含有する酸素ガスを毎分1L発生させた。気液混合装置(エジェクター)を用い、オゾン含有酸素を薬剤が溶解した洗浄液50L中にマイクロバブルとして供給し、マイクロバブル水溶液中で2kgの千切りキャベツの除菌処理を行った。除菌効果は、洗浄後の野菜をストマッカー処理し、混希法により35℃で平板培養して、処理直後、及び10℃、3日保存後の一般生菌数をカウントすることにより評価した。外観の違いは、色、ボリュームを目視で観察するとともに、食用色素水溶液を浸漬した野菜表面の顕微鏡観察により評価した。食味については、臭気や辛味など7種の指標に基づいた専門パネラーによる官能試験により評価した。<br><br>【結果】除菌効果は、いずれの処理も同等であった。外観は、マイクロバブルオゾン処理品は、野菜本来の白~緑色を呈し、張りがあったのに対して、次亜塩素酸ナトリウム処理品は、黄色く変色しボリュームダウンしていた。また、色素染色したキャベツの顕微鏡観察の結果、次亜塩素酸ナトリウム処理品は、オゾンマイクロバブル処理品と比較して切断面に染色され易い部位があり、細胞内へ色素が浸透しやすくなっていることがわかった。食味評価については、次亜塩素酸ナトリウム処理品は塩素臭、辛味が強いが、マイクロバブルオゾン処理品は水処理品に極めて近い食味であることがわかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670525440
  • NII論文ID
    130005264309
  • DOI
    10.11402/ajscs.28.0_199
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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