国産もち小麦(もち姫)含有小麦粉を有効利用した国産小麦パンの開発
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of Japanese wheat flour bread using the flour blended Japanese glutinous wheat (Mochihime)
抄録
【目的】世界に先駆けて育成されたもち小麦「もち姫」は、その新規性、独創性から注目されてきたが、差別化可能な価値ある固有の用途が開発できていないのが現状である。本研究では、もち小麦「もち姫」と超強力小麦「ゆめちから」等のブレンド小麦粉を用い、差別化もちもち食感のパンの開発を試み、製パン特性、特徴的食感の物性的解析を行った。<BR>【方法】「もち姫」を国産超強力粉「ゆめちから」、「カメリヤ」(比較用外国産強力粉)に10~50%添加した食パンおよび30~50%添加したベーグルを焼成し、比容積、ガス発生量、内相の物性測定、老化試験、官能評価により製パン特性、食感の改変の解析を行った。<BR>【結果】食パンでは、「もち姫」の添加量の増加に伴い比容積が低下する傾向が認められた。焼成1日後の物性測定より「ゆめちから」ベースでは、「もち姫」の添加により硬さは同等か柔らかくなったが、「カメリヤ」ベースでは硬くなった。また、30%添加以上で老化し易かった。凝集性、官能評価から、「もち姫」の添加量が増加するともちもち感が増すという評価となった。ベーグルでは、「ゆめちから」ベースは、「カメリヤ」ベースよりも比容積が大きく、40%添加までは増大した。硬さは比容積を反映し、30%、40%添加が柔らく。官能評価より「ゆめちから」ベースでは、40%添加以上でもちもち感が増大し、内相が硬くなると評価された。食パン、ベーグルとも「ゆめちから」ベースの方がより柔らかいパンが焼成できた。特に日本人向きのもちもち感があり、老化しにくいベーグルを開発するには、外麦に比べてアミロース含量が2%程低い「ゆめちから」ベースの方が適性があり、「もち姫」添加量40%以内が特徴的なもちもち感を引き出す範囲と考えられた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 22 (0), 165-165, 2010
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670696832
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- NII論文ID
- 130007016992
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可