熱帯低地林におけるフタバガキの光と栄養塩の共役に関する菌根菌の役割
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- 溝口 佳佑
- 京都大学院農学研究科地域環境科学専攻森林生態学研究室
書誌事項
- タイトル別名
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- The role of mycorrhiza in coupling effects of light and nutrients on Dipterocarp in a tropical lowland rainforest
説明
1. フタバガキ科は東南アジア熱帯低地林のリン(P)濃度の低い土壌で優占できる樹種であり、Pの吸収を促進する外生菌根(EcM)を形成する。フタバガキ科は同所的に多様な種が共存しており、その理由として、光と栄養塩獲得の共役の種間変動がフタバガキ科内で大きいことが重要であると考えた。<br> 2. 本研究では、この仮説を検証するため、原生林の異なる光環境下に生育する、一斉開花起源の1年生コホートに属するフタバガキ実生6種(各種10個体)のバイオマス(成長速度)、ECM形成率、栄養塩獲得能力の指標としての葉内P濃度を調べた。 <br>3. バイオマス・ECM形成率それぞれと光強度の間には2種で正の相関がみられた。これら2種では、バイオマスが増加しても葉内のP濃度はほぼ一定であったため、高光下の個体の栄養塩獲得能力は低光下の個体よりも高いと考えられる。以上から、高い光応答性を示すフタバガキ樹種の高いP要求度はEcM形成率の増加によって補償され、これを達成できる樹種がP欠乏環境の高光下で高い成長率を達成できるものと考えられた。
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 124 (0), 827-, 2013
一般社団法人日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680683264512
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- NII論文ID
- 130005049004
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可