斜面位置の異なるクロトウヒ(Picea mariana)林における細根現存量

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タイトル別名
  • Fine root biomass in black spruce (Picea mariana) stands on different slope positions

抄録

アラスカ内陸部の北向き斜面や水はけの悪い低地には永久凍土が分布しており、その上にはクロトウヒ(Picea mariana)林が成立している。他の森林と同様に、クロトウヒ林においても細根は炭素・養分動態の重要な要素と考えられているが、永久凍土環境の変化 が細根に与える影響については不明な点が多い。そこで本研究では、永久凍土面の深さの違いが細根現存量に与える影響について明らかにすることを目的とした。調査地は、斜面位置の異なるクロトウヒ林2林分とした。斜面上部プロットでは、永久凍土面の深さ(113 cm)が斜面下部プロット(67 cm)よりも深く、地上部現存量(5.6 kg m-2)が斜面下部(1.9 kg m-2)よりも大きかった。斜面上部では、クロトウヒの細根現存量(1.10 kg m-2)は斜面下部(0.71 kg m-2)よりも大きかったが、細根/地上部現存量比(0.20)は斜面下部(0.37)よりも小さかった。これらの結果は、養分条件等の変化をともなう永久凍土条件の変化に対応して、クロトウヒが細根系へのバイオマス分配を変化させていることを示唆している。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680684135168
  • NII論文ID
    130005048321
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.210.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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