Molecular cloning and expression analysis of porcine <I>Kiss1</I> gene

DOI

Bibliographic Information

Other Title
  • ブタ<I>Kiss1</I> cDNAのクローニングと発現解析

Abstract

Kiss1遺伝子にコードされるキスペプチンおよびその受容体GPR54を介するシグナル系は、ほ乳類の生殖機能制御において重要な役割を果たしている。今回我々は、ブタ視床下部において発現するKiss1遺伝子の全長配列(857 bp)を新たに決定した。cDNA配列に基づく一次構造から、ブタKiss1遺伝子産物は全長138アミノ酸残基からなり、17残基のシグナルペプチド、49残基のN末端プロペプチド、54残基の成熟ペプチド(キスペプチン)、18残基のC末端プロペプチドから構成されると推定された。キスペプチンコアペプチドKp-10は、ウシ、ヤギ、ヒツジ、マウス、ラットと一致し、ヒトとは1アミノ酸残基の置換(Y/F)であることが確認された。クローニングしたcDNA配列をプローブとして、卵巣摘出群(OVX)およびOVXにエストロジェンを投与した群を用いて行ったin situ hybridizationの結果、ブタ脳におけるKiss1遺伝子の発現は、室周囲核(Periventricular nucleus: PV)および弓状核(Arcuate nucleus: ARC)の2つの神経核においてみとめられた。さらに、黄体形成ホルモンのサージ状分泌が誘起される用量のエストロジェン処理により、PVでのKiss1発現が顕著に促進されたことから、ブタでは、PVのキスペプチンニューロンがエストロジェンのフィードバック作用部位として機能することが示唆された。以上の結果から、ブタでは、PVキスペプチンニューロンがエストロジェンの正のフィードバック作用、すなわち性腺刺激ホルモン放出ホルモンのサージ状分泌の成立に関与することが示された。本研究は生研センター「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」の一部として実施した。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680690779648
  • NII Article ID
    130007022405
  • DOI
    10.14882/jrds.102.0.1001.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top