皮膚症状より診断に至った急性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の5例

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タイトル別名
  • Five Cases of Symptomatic Primary HIV Infection
  • ヒフ ショウジョウ ヨリ シンダン ニ イタッタ キュウセイ ヒト メンエキ フゼン ウイルス HIV カンセンショウ ノ 5レイ

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抄録

皮膚症状を契機に急性HIV感染症を診断し得た5例を報告する.HIVの初感染後,半数以上に2~4週で急性感染症状がみられるが,その中でも皮膚粘膜症状の出現頻度は高い.今回経験した症例は29~39歳のいずれも男性で,3日以上続く39°C台の発熱と,全身の麻疹様紅斑を主訴に来院した.全例で咽頭痛が強く,口腔粘膜疹も認めた.臨床検査にて第4世代のスクリーニング検査に低値陽性であり,血中HIV RNA量は著明に増加していた.また,症状出現から早期に検査し得た症例では抗体検査(Western Blot法)の結果が陰性であった.HIV感染症を早期に発見することは,適切な時期の治療とさらなる感染拡大を防ぐことにつながり社会的な意義も大きい.HIVの急性感染症としての皮膚症状を理解し,梅毒などの性感染症からHIV感染症を疑うだけでなく,急性感染症より診断していくことが皮膚科医に求められると考える.

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