養育スタイル尺度の作成 : 発達的変化とADHD傾向との関連から

  • 松岡 弥玲
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター
  • 岡田 涼
    日本障害者リハビリテーション協会:中京大学現代社会学部:(現)名古屋大学
  • 谷 伊織
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター:(現)東海学園大学人文学部
  • 大西 将史
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター
  • 中島 俊思
    浜松医科大学子どものこころの発達研究センター
  • 辻井 正次
    中京大学現代社会学部

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Parental Child Rearing Scale : Developmental Changes and Relations to ADHD
  • ヨウイク スタイル シャクド ノ サクセイ ハッタツテキ ヘンカ ト ADHD ケイコウ ト ノ カンレン カラ

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抄録

本研究では,発達臨床場面における介入や支援における養育スタイルの変化を捉えるための尺度を作成し,養育スタイルの発達的変化とADHD傾向との関連について検討した。ペアレント・トレーニングや発達障害児の親支援の経験をもつ複数の臨床心理士と小児科医師によって,養育スタイルを測定する項目が作成された。単一市内の公立保育園,小学校,中学校に通う子どもの保護者に対する全数調査を行い,7,000名以上の保護者からデータを得た。因子分析の結果,「肯定的働きかけ」「相談・つきそい」「叱責」「育てにくさ」「対応の難しさ」の5下位尺度からなる養育スタイル尺度が作成された。ADHD傾向との関連を検討したところ,肯定的働きかけと相談・つきそいは負の関連,叱責,育てにくさ,対応の難しさは正の関連を示した。また,子どもの年齢による養育スタイルの変化を検討したところ,肯定的働きかけ以外は年齢にともなって非線形に減少していく傾向がみられた。本研究で作成された尺度の発達臨床場面における使用について論じた。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 22 (2), 179-188, 2011

    一般社団法人 日本発達心理学会

被引用文献 (2)*注記

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