低強度, 長時間持続する運動時のサイトカインの動態と小麦グルテン加水分解物Wheat Gluten Hydrolysate (WGH) 摂取による生体応答

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  • CYTOKINE KINETICS IN PROLONGED LOW INTENSITY RUNNING AND THE EFFECT OF WHEAT GLUTEN HYDROLYSATE
  • テイキョウド,チョウジカン ジゾク スル ウンドウジ ノ サイトカイン ノ ドウタイ ト コムギ グルテン カスイブンカイブツ Wheat Gluten Hydrolysate(WGH)セッシュ ニ ヨル セイタイ オウトウ

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抄録

目的: 低強度, 長時間持続走行時におけるサイトカインの動態と, 定時的なWheat Gluten Hydrolysate (WGH) 摂取がそれらに及ぼす影響を明らかにする. 対象: 24時間走に参加する男性市民ランナー (16名). 方法: 被験者を無作為にWGH摂取群 (W群) 8名, Placebo群 (P群) 8名に分類し, スタート後1時間ごとにW群にはWGH (3g), またP群には難消化性デキストリン (3g) を摂取させた. スタート1時間前, 6時間後, 12時間後に採血を行い, Interleukin-6 (IL-6), tumor necrosis factor-a (TNF-a), transforming growth factor-β1 (TGF-β1), グルタミン (Gln), creatinine kinase (CK) を測定した. 結果: P群ではIL-6, CKはレース前から12時間後へ増加傾向であったのに対し, TNF-aはレース前から12時間後へ減少傾向であり, TGF-β1には変動はみられなかった. またGlnはレース前から12時間後へ有意に減少した (p<0.05). 一方W群ではGln濃度が保たれ, 有意差はないもののIL-6, CKの平均値は終始P群より低値を示し, TNF-a (p<0.01), TGF-β1 (p<0.05) はレース前から12時間後へ有意に減少した. 結論: 低強度, 長時間持続走行時にはIL-6, CKが増加し, TNF-a, Glnは減少した. このときW群ではGlnが維持され, TNF-aと疲労の指標の一つと考えられるTGF-β1はレース前から12時間後へ有意に減少した. また炎症の影響を表すIL-6, CKはP群より低値を示した. このことから低強度, 長時間持続走行時には定時的にWGHを摂取することにより炎症抑制作用, 疲労軽減作用が期待できる可能性が示唆された.

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参考文献 (12)*注記

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