数種暖地型マメ科牧草における耐干性の比較

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タイトル別名
  • Relative Drought Sensitivity of Tropical Pasture Legumes
  • スウシュ ダンチガタ マメカ ボクソウ ニ オケル タイカンセイ ノ ヒカク

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説明

暖地型マメ科牧草の耐干性を比較するために,7草種を灌水および無灌水条件下で栽培し,両処理区における各草種の形態および生理的適応能力の差異を調査した。供試草種は以下の通りである:Macroptilium atropurpureum cv. Siratro(サイラトロ),Stylosanthes humilis cv. Tomnsville(タウンズビル),S. guianensis cv. Schofield(スコフィールド),Desmodium intortum cv. Greenleaf(グリーンリーフ),D. uncinatum cv. Silverleaf(シルバーリーフ),Neonotonia wightii cv. Tinaroo(チナルー)およびCentrocema pubescence(セントロ)。土壌水分の低下とともに各草種の地上部割合は低下したが,地上部乾物重あたりの葉面積はシルバーリーフおよびグリーンリーフでは増大し,他の草種では減少したため,低土壌水分条件下で水分消費量を抑制するためには後者の方が有利であると考えられた。根系の量はセントロおよびサイラトロが多くなった。スコフィールドとタウンズビルは土壌水分の低下とともに根系の割合が増大した。したがって,これらの草種は低土壌水分条件下における水分吸収能力が高いものと考えられたが,他の草種では逆の結果が得られた。灌水および無灌水区における葉部の水ポテンシァルの差は,小さい方から(1)スコフィールド,タウンズビル,サイラトロ,(2)セントロ,グリーンリーフ,シルバーリーフ,(3)チナルーの順位になったため,各草種の耐干性の順位もこれに準ずるものと考えられる。以上の結果より,耐干性にすぐれた草種では土壌水分の低下とともに地上部の乾物割合や葉面積が減少して水分消費量が低下するとともに,根系率が増大して土壌からの吸水能力がすぐれているものと考えられ,この様な草種として,サイラトロ,タウンズビル,スコフィールドおよびセントロが挙げられた。

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被引用文献 (2)*注記

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