数種寒地型イネ科牧草における分げつの発生・消長の動態

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  • Seasonal Trends of Tiller Emergence and Senescence in Several Temperate Herbage Grasses Grown under Sward Conditions
  • Seasonal Trends of Tiller Emergence and

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抄録

チモシー(TM,センポク),トールフェスク(TF,ヤマナミ),リードカナリーグラス(RCG,ヴェンチャー),およびオーチャードグラス(OG,アオナミ)株を一定密度に定植した模擬草地に,年間の刈取回数を8 (FC),5 (SC),および3 (LC)回に定めた計3処理区を設けて,それぞれ,刈取り時に現存する再生不能および再生可能分げつ数,および新生分げつ数の推移を追跡した。(1)刈取時に現存する分げつの数(茎数密度)は,各草種ともFCで最も多く,SCがそれに次ぎ,LCでは少なく推移した。分げつ数は,年間を通してTFで最も多く,特に,FCおよびSCでは分げつ数が最少となる9,10月においても約3,000茎/m^2を維持していた。次いでTMで多く,また,年間の変動幅も少なかった。(2)TF, OGでは,生育期間中,刈取直後の分げつの発生が著しく少なく,茎数密度は目立ったピークや谷を形成する事なく漸減し,初秋には,概ね春期の半分以下に低下した。本研究では,このような群落構成分げつの推移の仕方を持続型と定義した。(3)一方,RCG, TMでは,生殖生長期の段階にある1, 2番草のみならず,その後の栄養生長期でも刈取直後に再生不能となる分げつが多数発生した。しかし,この場合,刈取直後に新生する分げつの数も多くなるため,結局,夏期高温時に至っても茎数密度は春期と大差なく推移することになる。このような群落構成分げつの推移を交替型とした。

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