秋の窒素肥培管理条件が翌春におけるオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の生育に及ぼす影響

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  • Effect of Nitrogen Application in Autumn on the Growth of Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) in the Following Spring
  • アキ ノ チッソ ヒバイ カンリ ジョウケン ガ ヨクシュン ニ オケル オー

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秋の窒素肥培管理条件が翌年の1番草生育に及ぼす影響をオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)草地において検討した。秋の分けつ発生が始まる9月上旬の刈取り後,窒素追肥レべルを変えて牧草を生育させた。10月下旬に最終刈取りを行い,11月上旬の秋施肥と翌年4月上旬の春施肥の窒素施用合計量を一定とし,その配分比率のみを変えて1番草の生育を比較した。9月上旬の窒素施肥レべルが低い場合には秋施肥配分を増大させると翌年1番草の出穂茎数が著しく増大し,その結果乾物収量が増大した。一方,9月上旬の窒素追肥レべルが高い場合には,秋施肥配分を低くしても1番草の出穂茎数が確保されており,秋施肥による出穂茎数の増大効果が減少し,この場合は1番草の全乾物収量は春施肥配分を増やした方が栄養茎収量が増えるため高収量であった。厩肥を施用して予め土壌窒素供給力を増強した草地では,最終刈取り後の秋施肥の有無に関わらず1番草の出穂茎が多く,厩肥施用による地力増強には秋施肥と同様の効果が認められた。以上の結果,1番草の収量構成の大半を占める出穂茎の確保には,秋において一定量以上の窒素供給が必要で,この時期の土壌窒素供給力を充分培養することが重要であること,また,窒素肥沃度が低い場合は秋施肥配分を増やすことが増収につながることが示された。

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