早期十二指腸乳頭上部癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Early Duodenal Cancer at the Upper Part of Papilla Vater

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抄録

症例は58歳男性。腹痛を主訴とし,上部消化管造影を行ったところ,十二指腸乳頭上部に長径約5cmの隆起性病変がみられた。内視鏡検査では,十二指腸球後部に表面カリフラワー状の山田Ⅳ型様ポリープを認めたが,ポリープが大きいため肛門側を観察できず,茎の大きさは確認できなかった。生検ではadenoma,borderline malignancy,Group Ⅲであった。内視鏡的ポリペクトミーの適応外と思われ,平成3年8月12日開腹,十二指腸切開ポリープ切除を行った。リンパ節腫大は認めなかった。切除標本では大きさ8.5×4.5cmの有茎性病変で,病理組織学的には高分化型腺癌,深達度m,ly0,v0であった。術後1年4ヵ月以上経過した現在,再発の徴候を認めない。大きさ5cm以上の早期十二指腸癌はまれで,本邦では自験例で18例目であり,ここに報告した。

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参考文献 (1)*注記

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