クリティカル・ディスコース・アナリシス(CDA)の言語・コミュニケーション教育における実践 : 環境コミュニケーションの授業活動を例として

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タイトル別名
  • Language and Communication Education Utilizing Critical Discourse Analysis : Examining Classroom Activities of Environmental Communication
  • クリティカル ディスコース アナリシス CDA ノ ゲンゴ コミュニケーション キョウイク ニ オケル ジッセン カンキョウ コミュニケーション ノ ジュギョウ カツドウ オ レイ ト シテ

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抄録

本稿は,クリティカル・ディスコース・アナリシス(CDA)を用いて言語・コミュニケーションの教育を行う意義を,環境に配慮した社会を構築するためのコミュニケーションである「環境コミュニケーション」の授業活動での実践例をもとに考察する.言語・コミュニケーション教育にCDAを導入する目的は,学生がディスコースのメッセージを表面的な印象だけで受け取るのではなく,情報や語句の選択,文の構造,文と文とのつながりなどの言語的要素を批判的視点から分析することで,ディスコースがどのような考え方の枠組みや価値観を構築しているかを根拠に基づいて解明できるように支援することである.実際に,二つの題材を取り上げ活動を行ったところ,学生は表面的な読み方では気づかなかった様々な考え方がディスコースに内在していることに気づき,改めてそうした考え方の枠組みを検討することができた.さらに,自分たち自身が物事の解釈の前提としてそうした考え方を通常問い直すことなく使っていることに気づき,そのことを検討する契機となった.CDAの手法を取り入れたコミュニケーション教育を行うことにより,学生は批判的視点を身につけ,今後遭遇するであろう様々なディスコースを分析し,そこに内在する考え方を検討し,その考え方の根拠や意義を明確に意識した上で行動していこうとする姿勢をもつようになることが期待される.

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