高等遊民とは何か : 『彼岸過迄』を読む(<特集>日本文学と天皇制 II)

書誌事項

タイトル別名
  • The Meaning of "Koto Yumin" (the Educated Idlers) : A Reading of Higansugimade(<Feature Articles> Japanese Literature and Tenno System II)
  • 高等遊民とは何か--「彼岸過迄」を読む
  • コウトウ ユウミン トハ ナニカ ヒガン スギマデ オ ヨム

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説明

<高等遊民>の特徴は、文明批評と美的享受が表裏となっていることだ。だから代助にこそ最もふさわしい言葉だが、この言葉を彼に冠してはいけないと思う。なぜなら、これは大逆事件後、天皇制国家の自由思想圧迫に向って、漱石が投げつけた言葉だと思われるから。『彼岸過迄』に出てくるこの言葉に、作品中もっともぴったりの人間は、敬太郎か、松本か、須永か。それぞれの世への対し方、美的享受のありようを追ってみた。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 38 (2), 40-53, 1989

    日本文学協会

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