谷崎潤一郎「白昼鬼語」 : <虚>と<実>のアラベスク

書誌事項

タイトル別名
  • Junichiro Tanizaki's Hakuchu-kigo : Chiasmus of Fiction and Truth
  • タニザキ ジュンイチロウ ハクチュウ キゴ キョ ト ジツ ノ アラベスク
公開日
1997
DOI
  • 10.20620/nihonbungaku.46.6_67
公開者
日本文学協会

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説明

一九一〇年代の後半、芥川龍之介や佐藤春夫、谷崎潤一郎らによって、盛んに探偵小説、怪奇小説的な作品が発表される。そうした文壇の片隅にあらわれた現象には、当時の時代状況が、敏感に反映しているのだが、なかでも谷崎潤一郎は、そうした作品の傾向に最も関心を示した作家であった。と同時に、この時期の谷崎はオスカー・ワイルドの芸術論の影響、更には私小説や民衆芸術の勃興に関わる形で、初期から既に孕まれていた「生活の芸術化」のモチーフが、一層顕著となり、それは<虚>と<実>のテーマに変容しつつ、一連の作品の系列を生み出していく。芥川の「地獄変」のあとをうけて、「大阪毎日新聞夕刊」「東京日日新聞」に連載された「白昼鬼語」は、谷崎の、この時期のそのような傾向を代表する作品である。本稿では、クリムトの絵画、写真、大阪毎日新聞に掲載された広告や記事などと関わらせつつ、「白昼鬼語」を分析、それによって当時の谷崎、及んでは文壇の一面を垣間見ようとしたものである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 46 (6), 67-78, 1997

    日本文学協会

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