415 空気ばねと粘性流体の複合マウントにおける動特性評価

書誌事項

タイトル別名
  • 415 Verification of Dynamic Characteristics for Mount Combined Air-Spring with Viscous Fluid

抄録

現在,油圧ショベルのキャブマウントとしては,防振ゴムによる弾性支持力と高粘度オイルの圧力差によって生じる粘性減衰力を利用したビスカスマウントが一般に用いられている.しかしながら,このビスカスマウントは搭載重量が大きくなると中立位置が押し下げられ,同じ外力振動でもストロークエンドのゴムストッパに達する頻度が多くなり,オペレータはゴムストッパの衝撃を受ける.また,高粘度オイルを密封した構造となっており,衝撃的な大負荷時においては狭い環状隙間にオイルが流れにくくオイルの圧縮反発力を受けるため粘性減衰力が発揮されにくいなどの課題があり,多種多様なアプリケーションに対応したマウント開発が難しい.そこで搭載負荷に応じた中立位置が調整可能で,幅広い外力振動に対しても流体の粘性力を発揮できるマウントとして,Fig.A-1に示すような空気ばねと粘性流体の粘性せん断力を組み合わせた複合マウントを考案した.この複合マウントは,空気ばねに円筒状の容器を内蔵したものであり,搭載物は空気ばねによって支持される.円筒内の粘性流体は密封されておらず,高粘度オイルのせん断粘性力を重視した構造となっている.本研究では,上記ような目的で考案した複合マウントの試作回数を低減するための設計指針を与えることを目的として,その動特性を設計パラメータを用いて算出する方法を提案する.まず複合マウントを試作し,定常波加振試験を実施した.加振試験によって得た変位振幅,加振力の波形から複合マウントの動剛性,損失剛性を算出し,さらに実験条件を変更することにより周波数,変位振幅,空気ばねの内圧,粘性流体の粘度に対する依存性を明らかにした.次に設計パラメータを用いた動特性算出式を導出し,動剛性および損失剛性を算出した.最後に,設計パラメータによって算出された動特性と加振実験によって計測された動特性を比較することによって,動特性算出式を検証した.

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