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- Liu Lijun
- Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University
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- Nakano Satoshi
- Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University
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- Kakimoto Koichi
- Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University
書誌事項
- タイトル別名
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- Advancement of Numerical Investigation of a Silicon Czochralski Growth with Application of a Transverse Magnetic Field(<Special Issue>Single and Multi Crystalline Silicon)
- Advancement of Numerical Investigation of a Silicon Czochralski Growth with Application of a Transverse Magnetic Field
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説明
水平磁場印加チョクラルスキー法における結晶育成炉内の温度速度分布,さらに界面形状を総合的に解析することが可能な3次元総合解析コードを作成し,実際のシリコン結晶成長炉内の解析を行った.このコードでは,炉内の対流,伝導,輻射による熱と物質の輸送現象を,積分型表示である有限体積法を用いて計算を行った.この計算手法は,一般の3次元解析に必要な莫大なメモリー容量と膨大な計算時間をかけずに解析が可能であることが特徴である.本論文では,横磁場を印加した場合とこれに電流を印加した場合のEMCZ法について解析結果を紹介する.さらに,シリコン融液中の酸素濃度分布も紹介する.シリコンCZ炉に水平磁場を印加した場合,固液界面形状は結晶回転を停止した場合は鞍型の形状になることが計算結果として得られ,これはGaAsにおける実験結果と一致している.また,水平磁場を印加した場合,磁場の非対称性が育成炉内のどこまで影響を及ぼしているかを検証した.この解析から少なくとも坩堝を保持するカーボン製のサセプタまでは3次元解析を行う必要性があることが明らかとなった.本研究では小型炉を用いているために,大型炉においてはさらに外側のヒータまでも3次元解析する必要があると考えられる.従来から問題となっていた固液界面近傍における成長軸方向の温度勾配と結晶成長速度との関係を,水平磁場印加下において磁場強度をパラメータにして解析を行った.これより,結晶成長速度が増加すると結晶中の温度勾配は増加し,一方融液中の温度勾配は減少することがわかった.また,磁場強度を増加したときは,温度勾配は結晶中そして融液中において増加することがわかった.これは,結晶中では固液界面が上に上昇することにより結果として増加し,融液中では対流が弱くなることにより温度勾配が増加するためである.さらに,成長速度を増加すると結晶中,融液中ともに温度勾配は磁場強度依存性が小さくなることがわかった.これは,結晶成長速度が大きくなると固化潜熱が大きなシリコンにおいては界面形状の決定に固化潜熱が大きな役割を果たしているからである.さらに,対流がなく熱伝導の場合と比較してみると,温度勾配は熱伝導の場合のほうがはるかに大きく,水平磁場を印加した場合においても対流は残留していることがわかった.EMCZ法に関しては,電極の位置,電流の方向,磁場強度により流れが変化し,同時に固液界面形状も変化することが明らかとなった.酸素濃度に関しても,これらの条件により対流が変化するために,界面における濃度分布も大きく変化することがわかった.特に結晶端では,これらの諸条件の影響を大きく受けることがわかった.このように,3次元解析が可能となってきており,結晶の高品質化のために今後3次元解析がますます多用されることが予想される.
収録刊行物
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- 日本結晶成長学会誌
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日本結晶成長学会誌 32 (4), 306-313, 2005
日本結晶成長学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680874097152
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- NII論文ID
- 110007327698
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- NII書誌ID
- AN00188386
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- ISSN
- 21878366
- 03856275
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- NDL書誌ID
- 7681676
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可