清酒の着色に及ぼす塩化アルミニウムの効果

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  • セイシュ ノ チャクショク ニ オヨボス エンカ アルミニウム ノ コウカ 1 ジッチ ジョウゾウ ニ オケル エンカ アルミニウム テンカシュ ト ムテンカシュ ノ ヒカク
  • (第1報) 実地醸造における塩化アルミニウム添加酒と無添加酒の比較

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31場の酒造場から採取したAICl3・6H2O添加酒と無添加酒62点について, 色度, EDTA添加により脱色される色度, 鉄添加によって増加した色度などを測定し, 次の結果を得た。<BR>1) 大部分の酒造場の場合, 生酒, 火入れ酒共に色度はAICl3・6H2O添加酒のほうが薄いが, 全く効果のない酒造場もあった。<BR>2) 火入工程の色度の増加は, 両者に全く差を認めなかった。<BR>3) EDTAによる脱色量, すなわち清酒中のフェリクローム類 (含鉄) の関与する色度は, AICI3・6H2O添加酒のほうが著しく少なかった。すなわち塩化アルミニウムの着色防止効果は, 鉄の関与する発色を抑制することが1原因であると推定された。<BR>4) 鉄添加によって増加する色度, すなわち非含鉄フェリクローム類などが関与する色度は, AIC13・6H20添加酒と無添加酒との問に差がなかった。<BR>5) EDTAによる脱色量および鉄添加によって増加する色度は, 製造場によって著しく相違した。<BR>6) AIC13・6H2Oの着色防止効果と, 仕込水にAIC13・6H2Oを使用しなかった試料のEDTAによる脱色量との間には, 正の相関関係 (r=0.5532**, n=31) があった。

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