Studies on the Cookery of Adzuki Beans for Sekihan (Part 2)

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Other Title
  • 赤飯用小豆の調理に関する研究 (第2報)
  • セキハンヨウ アズキ ノ チョウリ ニ カンスル ケンキュウ 2 アズキ ノ キュウスイ ハラキリ オヨビ ショウゴ ノ アジ ニ ツイテ
  • On the Absorption of Water into Adzuki Beans, the Break of their Coats, and the Taste of their Extract
  • 小豆の吸水・腹切及び小豆汁の味について

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Abstract

腹の切れないしかも適度に煮えている赤飯用小豆を得るためには、どのような調理法をとればよいかを知る為に、小豆の腹切と吸水を中心として種々の調理法を比較検討した。又、小豆汁の味について官能テストを行なった。第1報小豆汁の色についての報告と今回の結果を併せ考察して要約すれば次のようになる。<BR>(1) もち米と共に蒸した赤飯中の小豆の吸水率は蒸す前の煮熟小豆の吸水率の増加につれて増加するが、蒸す前の吸水率が6096以上になると、蒸す過程に於ける吸水率の増加は緩慢となり、ほゞ70~80%程度で飽和する。しかし、蒸した後での腹切率は蒸す前の吸水率に比例して増加して行く。<BR>又、官能検査によっても、蒸す前の小豆の吸水率が、65%の場合も80%の場合も、蒸し上げた後の小豆のかたさに差がない。<BR>従って腹切を極力少くおさえ、しかも、かたさに満足出来る赤飯用小豆を得る為には、蒸す前の小豆の吸水率が65%に達する程度に煮熟すればよい。<BR>(2) 第1報で行なったような小豆の煮熟方法、A・B・C・D法に従って小豆を調理した結果、吸水率はすべて、100%前後となり腹切率もいちじるしく高い。従ってA・B・C・D法の調理過程を最後まで行なうのは適当でない。<BR>(3) よりよい調理法を得る為上記4種の調理法に従って、小豆を煮熟し、その吸水率と腹切率の経時変化を比較検討した。その結果吸水率が65%に達し、しかも腹切が少く、手間のかゝらない小豆の調理法としては、D法の15分boilの時点でとめるのが最もよい。<BR>(4) A・Bの調理方法のように、いわゆる「びっくり水」を加えると、その直後に吸水率がいちじるしく増加するが、その後で腹切率の急上昇が見られる。従ってA・B法の様に「びっくり水」を用いた調理方法は腹切の少ない小豆を得ると云う意味で適当でない。<BR>(5) 従来小豆の初期の茹汁はあくがあるので捨てるようにも云われているが、官能検査の結果、あえて捨てる必要のない事が明らかとなった。<BR>(6) 第1報で、色の美しい小豆汁を得る調理法としては第2表のA-2法、C-1法があげられると述べたが、腹切・吸水の観点から最もすぐれているD法は、A-2法の関連法に他ならない。D法は赤飯炊水の調製上A-2法の2倍の水を使って色を溶出させており、実測上もD法による炊水の方がA-2法より色の点ですぐれている。<BR>従って小豆汁の色・味・小豆の吸水・腹切・手間等、総合的に比較検討すると、D法の15分boil終了をもって調理の終りとするのが最もすぐれた方法である。<BR>(7) 尚、古い小豆の腹切と吸水はA法を除き、B・C・D法の間には大差ないが、新小豆に比べて少ない為吸水の観点から10分程度のむらし時間が必要である。しかしそれ以上のむらしは腹切と汁の濁りの増加のために好ましくない。そして手間の点からD法が一番すぐれていると云えよう。

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