試料溶媒 6 種の細胞毒性試験への応用に関する検討

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  • A Study on Applicability of Six Organic Solvents for Subject Chemicals to in vitro Cytotoxicity Assays

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6種の有機溶媒, すなわちethanol(EtOH), methanol(MeOH), dimethyl sulfoxide(DMSO), formamide(FA), N, N-dimethyl formamide(DMFA)およびethyl acetate(EA)について, 細胞毒性試験における培養液中添加許容量を検討した.実験にはHeLa細胞培養系を用い, 細胞浮遊液に種々の濃度(1.0&acd;20.0μl/ml)になるように各有機溶剤を添加して接触させた状態で24時間培養した.位相差顕微鏡による観察と生存細胞数の測定を行い, サンプルのコントロールに対する生存細胞数の比率から阻止率(%)を算出した.50%阻止濃度(IC_<50>)は, EA1.0μl/ml以下, DMFA4.0μl/ml, EtOH8.0μl/ml, FA10.0μl/ml, MeOH13.0μl/ml, DMSO14.0μl/mlであった.毒性比を求めると, DMFA : EtOH : FA : MeOH=10 : 5 : 4 : 3となった.DMFAとEAは強い細胞毒性を有し, また, プラスチックを侵す性質があるので, 細胞毒性試験用の溶媒として不適と考えられる.試料溶媒として毒性試験に広く使用されているDMSOは被験溶媒中最も毒性が低かったが, 10.0μl/ml以上では無視できない増殖抑制作用を示した.濃度-作用曲線を検討した結果, 一般にDMSOが使用されているのと同じ濃度域においては, MeOHとFAの2剤の細胞毒性はDMSOと同程度か, むしろ軽度であること, また, EtOHもDMSOより少し低い濃度域であれば細胞毒性試験に応用することは可能であることが明らかとなった.

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