鳥類による巣箱の森林タイプ別利用状況と架設・非架設地域における繁殖密度

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タイトル別名
  • Use rates of nestboxes by birds according to forest types and the breeding density in forests with and without nestboxes
  • 鳥類による巣箱の森林タイプ別利用状況と架設・非架設地域における繁植密度
  • チョウルイ ニヨル スバコ ノ シンリン タイプベツ リヨウ ジョウキョウ ト

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抄録

静岡県南伊豆町と東京都下三宅島で,異なるタイプの林に巣箱を架設し,その利用状況や架設の効果などを調査した。巣箱は40mまたは20m間隔で架設した。この2地域で巣箱を利用したのはシジュウカラとヤマガラの2種であった。大部分のシジュウカラは明るい林内に架設してある巣箱にだけ営巣し,ヤマガラは照葉樹林内の巣箱をもよく利用した。南伊豆の二次林,未発達な照葉樹林および三宅島の二次林では,この2種とも繁殖したつがいのほとんどすべてが巣箱を利用した。いっぽう三宅島のよく発達した照葉樹林では,そこで繁殖するヤマガラの1/3~1/2のものしか巣箱を利用しなかった。また,巣箱を架設した地域の繁殖密度は,この島の照葉樹林に生息するヤマガラでだけ,架設していない地域のそれより高くなっていなかった。これらのことから,巣箱の架設は二次林や未発達な林を対象にして行なったほうがよく,営巣場所となる天然の樹洞が多くあるようなよく発達した林内で行なっても,たいした効果は期待できないといえる。

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