自然公園において利用料金導入がもたらす過剰利用の抑制効果

  • 庄子 康
    北海道大学農学部森林科学科森林政策学講座
  • 栗山 浩一
    北海道大学農学部森林科学科森林政策学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The over-use control effect of user fees in the natural park
  • 自然公園において利用料金導入がもたらす過剰利用の抑制効果--CVM(仮想的市場評価法)を用いたケーススタディー
  • シゼン コウエン ニ オイテ リヨウ リョウキン ドウニュウ ガ モタラス カジョウ リヨウ ノ ヨクセイ コウカ CVM カソウテキ シジョウ ヒョウカホウ オ モチイタ ケーススタディー
  • CVM(仮想的市場評価法)を用いたケーススタディー
  • A contingent valuation study

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抄録

自然公園における過剰利用は,利用者の快適な利用を妨げるだけでなく,景観や生態系に対しても悪影響を及ぼしている。本研究では利用料金の導入を取り上げ,その中でも利用者を抑制する効果について議論する。任意の協力金200円を導入している雨竜沼湿原を対象地として,CVM(仮想的市場評価法)を用いて協力金に対する支払意志額を推定し,これをもとに利用料金について考察を行う。支払意志額の質問方法には支払カード方式,二項選択方式の二つの方式を用い,比較を行った。推定結果は支払カード方式では中央値500円,平均値453円,二項選択方式では中央値2,186円,平均値3,322円となり,質問方法によって推定結果が大きく異なった。この原因には,手掛りバイアスをはじめとするバイアスの存在が考えられた。さらに結果として,利用料金の額と抑制効果の関係,道外の訪問者•花の知識が多い人•協力金の存在を知っていた人の支払意志額が高いことが示され,この点から利用料金には過剰利用を抑制する効果がある一方,問題点も存在し,導入においては双方の事実を踏まえる必要があると考えられた。

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参考文献 (8)*注記

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