書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on the Determination of Jelly Grade of Fruit Pulp in the Manufacture of Jam with Glucose Syrup
- ミズアメ シヨウ ノ カジツ ジャム セイゾウ ニ オケル ゲンリョウ パルプ ノ ゼリーグレード ソクテイ ニ ツイテ
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説明
われわれはリンゴパルプのパルプグレード測定について,従来から行なわれかつ提唱された試料の調整条件であるゼリーグラスを用いるexcess acid法について検討した。すなわちわが国の使用原料,製造法と市場から要求される品質面からの特異性を考慮し,実用化の改善を試みた。<BR>(1) 使用する糖分について<BR>リンゴパルプーショ糖または水飴,はそのゼリー化の最適pHを見ると,ショ糖は3.4~3.5,水飴はショ糖の場合よりやや高い傾向を示した。ペクチンゼリーにおいては水飴とショ糖の最適pHは明らかに異なる。<BR>(2) 水飴の品質について<BR>水飴はその製造過程における精製法により緩衝指数が異なりpHの挙動が異なるので,パルプグレード測定に用いる水飴の選定を行なった。結果としてpHの挙動が線型を示すものを用い,直糖含量も40±1%を標準と定めた。<BR>(3) acid in glassとacid in boilの検討<BR>サンプリングの容器の大きさ,製品容器の大きさなどの条件より当然内容物の冷却速度が異なり,したがって(濃縮時間+冷却時間)によるdegradationのうち,後者による影響が前者に比して大きいためacid in boil法を採用し,かつサンプリングの容器もゼリーグラスより大きい5号罐を採用した。<BR>(4) リンゴジャムにおける最適pHについて<BR>試料のpHとゼリー強度の関係より最適pHを求め,かつ現実の種々の条件を加味し,ジャムのpHは3.5~3.7において測定するのが妥当と考えた。著者らの場合はpHはすべて3.70を標準とした。<BR>(5) 測定における繰返し精度について<BR>試料調整の繰返し精度を知るために原料,秤量,濃縮,サンプリングなどの条件を一定にした結果,信頼度95%における信頼限界は33.19±3.19cmであった。<BR>(6) パルプグレード測定の実際<BR>(1)~(5)の結果により試料の調整条件を実用化のため一定に定めた。そのパルプグレードの測定値によるゼリー強度の予測値と実測値の比較を,パルプグレード測定バッチの約100倍のスケールで工場実験を行なった。<BR>その結果パルプグレードの測定値によって加糖率を決定し,かつそれによって起こるゼリー強度のバラツキは実用上の許される範囲内であった。<BR>すなわち現実の製造条件に応じたパルプグレードの測定を行なえば,その測定法によりゼリー強度の推定は可能である。
収録刊行物
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- 日本食品工業学会誌
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日本食品工業学会誌 9 (7), 265-270, 1962
社団法人 日本食品科学工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681382516992
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- NII論文ID
- 130003789104
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- NII書誌ID
- AN00192587
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- NDL書誌ID
- 9166707
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- ISSN
- 00290394
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可