β‐クリプトキサンチン高含有ウンシュウミカン果汁の摂取が肝機能および脂質代謝に及ぼす影響

  • 大島 誠
    日本果実工業株式会社
  • 杉浦 実
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所カンキツ研究興津拠点
  • 上田 佳代
    山口大学医学部・医学科医療環境統御医学講座環境保健医学

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of .BETA.-cryptoxanthin-fortified Satsuma Mandarin (Citrus unshiu Marc.) Juice on Liver Function and the Serum Lipid Profile
  • β-クリプトキサンチン高含有ウンシュウミカン果汁の摂取が肝機能および脂質代謝に及ぼす影響
  • ベータ クリプトキサンチン コウガンユウ ウンシュウミカン カジュウ ノ セッシュ ガ カン キノウ オヨビ シシツ タイシャ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

軽度脂質代謝異常を有する肥満男性26名に対し,β-クリプトキサンチンを強化させたウンシュウミカン果汁(強化果汁介入群)と通常量のβ-クリプトキサンチンを含有するウンシュウミカン果汁(対照果汁介入群)を1日160g,8週間連続摂取させ,介入前と介入4週間および8週間後の血清β-クリプトキサンチン濃度,脂質代謝および肝機能指標値の変化について検討した.<BR>果汁投与後の血清β-クリプトキサンチン濃度はいずれの群においても介入前に比べて有意に上昇し,この上昇は強化果汁投与群においてより顕著であった.強化果汁介入群における8週後の血中ALT値およびγ-GTP値は4週後に対して有意に低下していた.血清β-クリプトキサンチンと肝機能指標値との関連について横断的な解析を行ったところ,いずれの肝機能指標値も介入前には血清β-クリプトキサンチン濃度と有意な相関は認められなかったが,介入4週および8週後ではそれぞれ有意な負の相関が認められ,これらの負の相関は8週後においてより顕著であった.一方,強化果汁介入群では,投与8週後のHDLコレステロール値およびLDLコレステロール値の低下がみられたが,対照果汁介入群とは有意な差は認められなかった.<BR>これらの結果から,β-クリプトキサンチンを豊富に含むウンシュウミカン果汁の摂取は肝機能障害の改善に有効である可能性が示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (31)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ