書誌事項
- タイトル別名
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- A case of essential hypernatremia presumably caused by partial diabetes insipidus, upward resetting of osmostat and hypodipsia.
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説明
本態性高Na血症の1例について,その血中ADHの動態を検討したので報告する.症例は68才,女性.昭和48年当科にて不完全型尿崩症の診断を受けcarbamazepineの投与を受けていた.昭和57年12月10日,軽度の意識障害のため当科外来を受診.著明な高Na血症を指摘され入院となつた.入院時渇感は低下し,血中および尿中ADHは,血漿浸透圧に比して低値であつた. Carter-Robbins testでは, ADH分泌の浸透圧閾値の高値へのresettingが認められた.以上の結果より,本症例は,渇感の低下, osmoreceptorの高値へのresettingおよびADHの産生低下により生じた本態性高Na血症と考えられた.
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 74 (12), 1699-1703, 1985
一般社団法人 日本内科学会