全球陸上気温のトレンド、年々変動及び数十年変動の解析

書誌事項

タイトル別名
  • Trends and Interannual and Interdecadal Variations of Global Land Surface Air Temperature
  • 全球陸上気温のトレンド,年々変動及び数十年変動の解析〔英文〕
  • ゼンキュウ リクジョウ キオン ノ トレンド ネンネン ヘンドウ オヨビ スウ

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抄録

世界8地域の陸上気温の110年間のデータを用いて、全球地上気温の長期トレンド、年々変動及び数十年規模変動の解析を行った。110年間の長期トレンドでは、全球地上気温は約0.54℃/(100年)の割合で昇温している。しかし、20年毎のトレンドで見てみると、この間の昇温は一定ではなく、最も大きな昇温は最近20年間に現れているのに対し、1940年から1970年にかけては逆に寒冷化傾向にあった。<br>地上気温のスペクトル解析から、気温変動には数年周期、10-20年周期、30年以上の長周期変動が卓越することがわかった。このうち2-7年周期変動は、熱帯域ではエルニーニョ・南方振動(ENSO)の影響を大きく受けているが、中・高緯度域ではENSOとの関連は小さく、他の要因によるものと思われる。<br>8-25年周期のバンドパスフィルターを施した気温変動は、約0.1℃-0.2℃の振幅を持っている。この変動は1920年頃以前は世界各地でほぼ同位相で変化していたが、それ以降は地域毎で位相のずれが存在する。この気温変動は1960年以降は太陽黒点数の変動とほぼ同位相で変化しているが、1920以前は逆位相であった。<br>ローパスフィルターを用いて取り出した30年周期以上の長い変動は、1930-1940年頃正偏差のピークがある。この変動成分は、最近10年位の温暖化に大きく寄与しているものと思われる。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 71 (3), 367-375, 1993

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (8)*注記

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