定常状態におけるゴム中への酸素拡散の影響

  • 小野 勝道
    The Chemical Research Institute of Non-Aqueous Solutions, Tohoku University
  • 帰山 明俊
    The Chemical Research Institute of Non-Aqueous Solutions, Tohoku University
  • 村上 謙吉
    The Chemical Research Institute of Non-Aqueous Solutions, Tohoku University

書誌事項

タイトル別名
  • FUNDAMENTAL STUDIES ON THE DEGRADATION MECHANISM OF RUBBER VULCANIZATES (I)
  • 定常状態におけるゴム中への酸素拡散の影響〔加硫ゴムの劣化反応機構の定量的研究-1-〕
  • テイジョウ ジョウタイ ニ オケル ゴムチュウ エ ノ サンソ カクサン ノ
  • THE EFFECT OF DIFFUSION OF OXYGEN IN THE STEADY STATE

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抄録

従来の化学レオロジー (化学緩和, 化学クリープなど) の研究は, すべて試料ゴムの化学変化に基づく物性の変化を検討し, この物性変化から試料中に生じている化学変化の詳細を探知する研究であった.しかしながら, これらの場合いずれも試料の皮膜の厚さによる酸素ガスの拡散の影響は無視されていた.本報においては, 定常状態における化学緩和において, 酸素拡散と化学反応の両者を同時に考慮に入れた場合の研究結果について述べる.結論として, 試料の膜厚と分子切断速度qavとの関係並びに試料皮膜中の距離xの深さのところの酸素濃度cを次のように定式化することに成功した.<BR>qav・l=Sc0√Dk/ε・tanh(√k/D・l)c=Sc0cosh(√k/D・x)/cosh(√k/D・l)_ただし, √k/Dと温度との関係は, √k/D=A・exp{-(EK-ED)/2RT}で表される.<BR>ここで, 試料皮膜の厚さを2l, ある条件下での酸化反応による分子切断の平均速度を9av, 空気中の酸素濃度をco, 中心x=0より, xのところの濃度をcとすると, cx=±1=sc0, ここでsは溶解度係数.分子切断の効率をε, 酸素消費速度定数をk, 拡散定数をDとする.Rはガス定数, EK, EDはそれぞれ酸化反応活性化エネルギー, 拡散活性化エネルギー.

収録刊行物

  • 日本ゴム協会誌

    日本ゴム協会誌 49 (4), 350-354, 1976

    一般社団法人 日本ゴム協会

参考文献 (2)*注記

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