垂直磁化MRAMの可能性とシステム応用

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タイトル別名
  • Potential and system applications for MRAM based on perpendicular magnetic anisotropy
  • スイチョク ジカ MRAM ノ カノウセイ ト システム オウヨウ

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抄録

<p>垂直磁化を用いた磁気ランダムアクセスメモリー(MRAM)として,スピントランスファートルクによる書き込み方式である,スピン注入方式と電流誘起磁壁移動方式を紹介した.いずれも,垂直磁化を用いることで,スピントルクが磁化反転を誘起する効率が改善され,書き込み電流を低減することができる.さらに,スピン注入方式では垂直磁化のもつ大きな磁気異方性により,磁壁移動方式では磁壁の熱安定性と書き込み電流とを独立に制御できるという性質により,データの熱安定性の向上が実現され,電流磁場方式では実現できなかったセルのスケーラビリティが実現している.スピン注入方式は,2端子セルの特徴であるセル面積を小さくすることの優位性から,大容量な単体汎用メモリーへの応用が期待され,垂直磁化の採用によりギガビットを超える高集積化が現実的なものとなりつつある.一方で,磁壁移動方式は,3端子セルの特徴である高速性と,システムオンチップにロジック回路と共に集積することが容易となる特徴から,待機時電力ゼロのシステムオンチップを実現する技術として期待される.</p>

収録刊行物

  • 応用物理

    応用物理 79 (12), 1071-1076, 2010-12-10

    公益社団法人 応用物理学会

参考文献 (19)*注記

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