アンディローバ(Carapa guianensis)含有リモノイド成分の脂肪性肝炎抑制作用

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タイトル別名
  • Hepatopritective Limonoids from Andiroba (Carapa guianensis)

説明

<p>1.はじめに</p><p> 食生活をはじめとした生活習慣の変化に伴う内臓脂肪蓄積型の肥満人口の増加とともに,肝臓(とくに肝細胞)に中性脂肪が蓄積する病態である脂肪肝に,肝実質の炎症・壊死,繊維化をともなう病態である脂肪性肝炎が注目されている.その組織像はアルコールの常習的な摂取過多によって引き起こされるアルコール性肝障害 (ALD) に類似しているが,肥満や2型糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病を基礎疾患として有していることなどから非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) と称されている.NASH は,遺伝的素因を背景に脂肪肝とインスリン抵抗性を基礎病態として発症する症候群であり,しばしば肝硬変や肝細胞がんへと進展することが知られている.1) 脂肪組織から分泌されるアディポネクチンは,肝細胞において新規脂肪合成を抑制し,脂肪酸の b 酸化を亢進することにより脂肪肝の改善を促すことが知られているとともに,D-galactosamine (GalN) / lipopolysaccharide (LPS) 誘発肝障害モデルにおいて肝保護作用を示すことが明らかとなっている.2) 今回,アンディローバ (Carapa guianensis)から見いだした主要リモノイド成分に,マウスを用いた GalN/LPS 誘発肝障害モデルにおいて有意な血中トランスアミナーゼ活性の上昇抑制作用が認められたことから,その肝保護作用メカニズムを解析した.</p><p>2.アンディローバ含有リモノイド成分の探索</p><p> アマゾンの熱帯雨林に分布するセンダン科 (Meliaceae) 植物 C. guianensis は,ブラジルやコロンビアでアンディローバと称され,材木として使用されるのみではなく,民間薬として防虫,抗炎症, 抗マラリアなどを目的に利用されている.我々はこれまでに,アンディローバの種子および花部の圧搾油の含有成分を精査し,これまでに 3 種の脂肪酸 (oleic acid, stearic acid および palmitic acid) を GC-MS 分析により同定するとともに,Fig. 1 に示す主要リモノイド成分 (1–17) などを見いだした.3-12) </p><p>3.アンディローバ含有リモノイド成分の肝保護作用</p><p> GalN/LPS 誘発肝障害モデルは,GalN で障害を受けアポトーシスを受けやすくなった肝細胞に,LPS 刺激により活性化されたクッパー細胞やマクロファージなどが産生する TNF-a などの炎症性サイトカインが作用し,肝細胞死を起こすと考えられている.アンディローバの主要リモノイド成分である gedunin (1), 6a-acetoxygedunin (2) および 7-deacetoxy-7-oxogedunin (3) について検討したところ,いずれも 25 mg/kg の経口投与において有意な血中トランスアミナーゼの上昇抑制作用が認められた.その活性強度は,肝機能改善などに用いられているオオアザミ (マリアアザミ,Silybum marianum) に含有される活性寄与成分である silybin よりも強いものであった (Table 1).</p><p> </p><p>Figure 1. Limonoids (1–17) from flower and seed oils of C. guianensis</p><p>Table 1.Inhibitory effects of 1–3 on GalN/LPS-induced liver injury in mice</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282752340957824
  • NII論文ID
    130007722934
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.58.0_poster36
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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