視覚情報処理の背背側の流れに種々の障害を呈した症例

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  • A Patient Who Exhibited Various Symptoms after Lesions on The Visual Dorso-dorsal Stream

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抄録

<p>  近年, ヒトの大脳における視覚情報処理には大きく分けて腹側の流れ, 腹背側の流れ, 背背側の流れの 3 つの経路があると考えられている。背背側の流れは, 上頭頂小葉や頭頂間溝に向かい, 対象の位置や運動, 形を分析して, 対象に向けた行為の無意識的なコントロールに関わる。化学療法後に脳症を起こした右利き女性症例について報告する。病巣には, 両側の上頭頂小葉と右の頭頂間溝が含まれていた。患者は, 背背側の流れと関係付けることができる種々の症状を示した。左視野の視覚性運動失調, 自己身体定位障害, 左手の把握の障害, 左側への衝動性眼球運動の方向付けの障害および左視野のオプティックフローの知覚障害である。これらの症状について責任病巣, 詳しい特徴などを, 背背側の流れの機能との関係で論じる。</p>

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