トレハロースの添加はニワトリ骨格筋タンパク質の加圧加熱ゲルの物性を改善する

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of pressure-heat induced gel properties of chicken skeletal muscle protein by an addition of trehalose.
  • トレハロース ノ テンカ ワ ニワトリ コッカクキン タンパクシツ ノ カアツ カネツ ゲル ノ ブッセイ オ カイゼン スル

この論文をさがす

抄録

<p>ニワトリ胸肉から調製した筋原線維および肉パティを用いて、トレハロース添加と加圧処理の併用が筋原線維の可溶化と加熱ゲルの物性に及ぼす影響について調査した。筋原線維懸濁液(0.1–0.2 M NaCl, pH 6.0 あるいは7.0)に0.1–0.5 M トレハロースを添加して、室温にて所定の加圧処理(100,200,300 MPa)を15分間行った。無加圧では、トレハロース濃度に依存した溶解性の変化はなかった。加圧処理試料ではNaCl、トレハロース濃度、pHおよび圧力強度に依存した筋原線維の溶解性の増大が見られ、0.2 M NaCl, 0.5 M トレハロース、pH 7.0、並びに300 MPa の加圧処理で最も高い溶解性を示した。SDS-PAGE解析より,筋原線維の溶解性増加は太いフィラメントの脱重合が主要因であることが示唆された。0.2 M NaCl(pH 6.0)に懸濁した筋原線維では、トレハロースを添加して加熱前に加圧処理すると加熱ゲルの強度が高くなった。肉パティの加熱ゲルにおいて、200 MPaでの加圧処理およびトレハロースの添加を併用すると、最も高いゲル強度を示した。以上の結果から、ソーセージタイプの食肉製品を製造する際にトレハロース添加および200 MPaでの加圧処理を併用すると、良好な物性の加熱ゲルが得られることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ