遷延性・慢性咳嗽を呈した咳喘息の診断における強制オシレーション法の有用性

  • 加藤 冠
    大泉生協病院内科 東京健生病院内科 札幌せき・ぜんそく・アレルギーセンター
  • 田中 裕士
    医大前南4条内科 札幌せき・ぜんそく・アレルギーセンター

書誌事項

タイトル別名
  • USEFULNESS OF THE FORCED OSCILLATION TECHNIQUE IN THE DIAGNOSIS OF COUGH VARIANT ASTHMA WITH PROLONGED OR CHRONIC COUGH
  • センエンセイ ・ マンセイ セキソウ オ テイシタ セキ ゼンソク ノ シンダン ニ オケル キョウセイ オシレーションホウ ノ ユウヨウセイ

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説明

<p>【目的】遷延性・慢性咳嗽を伴う気管支喘息(BA),咳喘息(CVA),アレルギー性鼻炎(AR)の鑑別診断において,スパイロメトリーと強制オシレーション法(FOT;MostGraph)を併用して気道可逆性試験を行うことの有用性を検討した.</p><p>【方法】3週間以上持続する咳嗽で医大前南4条内科を受診し,スパイロメトリーとFOTによる気道可逆性試験を行った622名を対象として,BA群,BA+AR群,CVA群,CVA+AR群,AR群の5群に分類して肺機能を評価した.</p><p>【結果】FEV1の平均改善量(率)はBA群で465ml(26%),CVA群で136ml(5.5%),AR群で44ml(1.6%)と有意差を認め(p<0.001),CVA群では可逆性の基準値である200ml(12%)を下回った.BA群/CVA群におけるFOTのR5の改善率は25.7%/24.1%で,AR群の2.4%に比して有意に高値で(p<0.001),この傾向はAR合併例でも同様であった.FOTの可逆性を用いてCVAを診断する際のROC曲線のAUCは,R5/R20/R35/Fresで0.85/0.76/0.68/0.65とR5で最大であり,R5の改善率のカットオフ値を15%とした時の感度は74%,特異度は81%であった.</p><p>【結語】FOTによる可逆性試験を併用することは,スパイロメトリーのみでは診断しにくいCVAの診断において特に有用であることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 67 (6), 759-766, 2018

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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