失語症をもつ人への意思疎通支援の制度化に向けての課題 : 失語症会話パートナーに関する先行研究のレビューから

  • 安保 直子
    法政大学大学院人間社会研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • The Problems in Promoting the Institutionalization of Communication Support for People with Aphasia : Review of Previous Studies Concerning Conversation Partners for People with Aphasia
  • シツゴショウ オ モツ ヒト エ ノ イシ ソツウ シエン ノ セイドカ ニ ムケテ ノ カダイ : シツゴショウ カイワ パートナー ニ カンスル センコウ ケンキュウ ノ レビュー カラ

この論文をさがす

抄録

本稿は,障害者施策の制度としては確立していない失語症の人への意志疎通支援について,「失語症会話パートナー」による支援に注目し,今後,個人派遣としての制度化を図るうえでの課題を,先行研究のレビューをもとに検討した.検討の内容は,失語症に対する支援の変遷と社会参加が進まない要因などの背景を概観したうえで,会話パートナーによる先駆的な取り組みを行っているカナダ,アメリカ,イギリス,日本における実践と課題を先行研究から整理し,さらにそこから制度化に向けての課題と考えられる項目を抽出した.結果,今後,会話パートナーを制度化するにあたり,(1)失語症の人へのエンパワメント(2)会話パートナーへのスーパーバイズ機能(3)養成カリキュラムのガイドライン策定(4)評価方法の開発といった少なくとも四つの課題があることがわかった.特に重要な課題は,エンパワメントとスーパーバイズ機能に関してプログラム化することと考えられる.

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 55 (3), 53-65, 2014-11-30

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ