ストレス–めまい連関

  • 甲斐 竜太
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
  • 外山 英和
    新潟大学脳研究所分子神経生物学分野
  • 那波 宏之
    新潟大学脳研究所分子神経生物学分野
  • 堀井 新
    新潟大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Stress-Vertigo/Dizziness Interaction
  • ストレス-めまい連関 : 中枢メカニズムに関して
  • ストレス-メマイ レンカン : チュウスウ メカニズム ニ カンシテ
  • ―中枢メカニズムに関して―

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抄録

<p>めまい患者には精神疾患, 特に不安症の合併が多くみられる. めまいが先か不安症が先か, に関しては臨床上の観察からは両方のケースが報告されている. 本稿では, めまいとストレス・不安症における両方向性の連関に関し, 動物モデルを用いて検討した. 過重力負荷による前庭刺激により, 不安症の中枢である扁桃体で神経活性化のマーカーであるFos蛋白陽性細胞が出現した. 同時にサブスタンスPの前駆体であるプレプロタキキニン遺伝子発現が増加し, NK-1受容体の拮抗薬は過重力負荷により誘発される悪心・嘔吐などの自律神経症状を抑制した. 以上より, 前庭刺激は不安症の中枢である扁桃体のサブスタンスP神経系を活性化し, 自律神経症状の発現に関与していることが示唆された. 一方, 社会的敗北ストレスにより不安様行動は増加したが, めまい症状を反映する回転行動への影響は検出されなかった.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 58 (6), 524-528, 2018

    一般社団法人 日本心身医学会

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