血液疾患における間葉系幹細胞の臨床応用

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タイトル別名
  • Clinical application of mesenchymal stem cells for hematological diseases
  • ケツエキ シッカン ニ オケル カンヨウケイ カンサイボウ ノ リンショウ オウヨウ

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抄録

<p>間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell, MSC)は,骨・軟骨・脂肪への分化だけでなく免疫調整作用や組織修復作用などの多機能を有している。また,MSCの培養方法も確立しており,安全性も担保されている。そのため,数多くの疾患に対してMSCは臨床応用されている。血液疾患に対するMSC治療は,治療抵抗性急性移植片対宿主病(graft-versus-host disease, GVHD)に対する有効性が期待されている。また,慢性GVHDの治療や,GVHDの予防,造血幹細胞の生着の促進,治療抵抗性再生不良性貧血の治療などにも応用されている。しかし,MSCの持つ細胞特性から,再発の増加,感染症の悪化,MSCのがん化などの問題が懸念されている。本稿では,最近の話題(胎盤脱落膜由来間質細胞,高純度MSC)を含めて,血液疾患に対するMSCの臨床応用の現状と課題,今後の展望を述べたい。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (10), 2362-2372, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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