書誌事項
- タイトル別名
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- Utility of an ENT-DIB Catheter for Nasal Irrigation
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抄録
<p>副鼻腔炎治療の基本は,洞自然孔の開大による洞内貯留物の排泄と換気の改善である。鼻腔は外鼻孔と後鼻孔に挟まれた空間であり,各副鼻腔へのアプローチは容易ではない。臨床現場ではまず内服療法・洗浄療法・ネブライザー療法が実施される。なかでも洗浄療法は,耳鼻咽喉科の特色を出す意味でも重要と考える。「副鼻腔炎診療の手引き」にも,上顎洞炎に対するカテーテル洗浄療法は推奨されている。1991年にProetz置換法を応用したYAMIKカテーテルによる副鼻腔洗浄方法が紹介され,画期的であると評価されたが,我が国では2005年に実施された改正薬事法により,それ以降カテーテルが入手困難になっていた。その後2014年にYAMIKカテーテルの有用性を踏襲しつつ,改良を施した日本製の新しいENT-DIBカテーテル(製造販売元:株式会社塚田メディカル・リサーチ)が発売された。今回,副鼻腔炎患者24例(男性5例,女性19例)を対象に本カテーテルを使って洗浄加療を行った。洗浄前後でくしゃみ・鼻汁・鼻閉・嗅覚障害・痛み各症状のVASスコア変化を検討した。慢性副鼻腔炎症例ではくしゃみと疼痛以外の症状で,急性副鼻腔炎ではすべての症状に有意な改善を認めた。</p><p>今回の検討では洗浄療法による鼻出血や滲出性中耳炎などの合併症は認めなかった。カテーテル洗浄療法は副鼻腔炎に対する保存的加療の一つとして有用と考えられた。</p>
収録刊行物
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- 日本鼻科学会会誌
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日本鼻科学会会誌 57 (4), 590-596, 2018
日本鼻科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763079189888
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- NII論文ID
- 130007535836
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- ISSN
- 18837077
- 09109153
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可