貝類による非IgE依存性消化管アレルギーの1例

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  • Non-IgE mediated Gastrointestinal Food Allergy by Shellfish

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説明

<p> 非IgE依存性消化管アレルギーは原因食品の摂取数時間後に消化器症状を示す. 原因食物として, 貝類はまれである. 症例は10歳女児. 2歳ころからシジミ汁を摂取して2時間後に嘔吐を繰り返したため, 貝類全般を除去していた. アサリ特異的IgEは弱い反応のみで, シジミの身と煮汁によるプリックテストも陰性だった. アレルゲン特異的リンパ球刺激試験はシジミの身と煮汁ともに陽性で, 特に煮汁で強い反応を示した. シジミ煮汁の経口食物負荷試験で最終摂取5時間後に嘔吐を認めたため, シジミによる非IgE依存性消化管アレルギーと診断し, シジミの除去を継続した. 1年後の食物経口負荷試験でシジミとアサリの身で症状が誘発されなかったが, それぞれの煮汁ではどちらも5時間後に反復する嘔吐が誘発された. 貝類による非IgE依存性消化管アレルギーの患者では, シジミとアサリの煮汁に共通して存在する水溶性抗原が症状誘発の原因である可能性が示唆された.</p>

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