完熟梅ピューレの調理特性

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タイトル別名
  • Cooking characteristics of ripe japanese plum puree

抄録

【目的】和歌山県では梅の新品種である「橙高」を育成しその普及を目指している。「橙高」は一般的な品種である「南高」よりβ-カロテン量が 6 倍多く含まれ、鮮やかなオレンジ色を呈している。本研究では「橙高」及び「南高」のピューレを使用し、加熱、pH 変化、金属塩が色に及ぼす影響を検討した。<br>【方法】2016 年に収穫した「橙高」及び「南高」の梅ピューレを使用した。各ピューレについて加熱、pH変化、金属塩 (Ca・Mg) の添加を行った。これらのサンプルの色差、β-カロテン量の測定を行った。各ピューレを用いてジャムを調製し、色差とテクスチャー測定を行った。<br>【結果】加熱前の「橙高」は、「南高」よりも赤色が強く鮮やかな橙色を呈していた。加熱により「橙高」、「南高」共に色が濃くなった。 また「橙高」では pH7 以上、「南高」では pH8 以上で色が濃くなった。それらを加熱すると、「橙高」では赤色が減少し黄色が増加したが、「南高」では赤色が増加し黄色が減少した。硫酸Ca及び硫酸Mgを添加し加熱後の色は、「橙高」では変化がほとんど見られなかったが、「南高」では赤色が増加した。β-カロテン量は今回の測定では、「橙高」は「南高」の約3倍であった。各ピューレで調製したジャムの色には変化が認められなかったが、「橙高」では「南高」よりも粘りが強い傾向を示した。以上のことから、「橙高」も「南高」もpH6 程度までであれば加熱を行っても比較的安定であり、金属塩の添加に対しても安定であることがわかった。完熟梅ピューレは通常の調理加工に対して安定であることがわかった。<br> なお、本研究は生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業」の支援を受けて行った。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763103817088
  • NII論文ID
    130007479300
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_93
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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