愛媛県の家庭料理 主菜の特徴

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書誌事項

タイトル別名
  • Ehime prefecture home cooking: main dishes
  • 魚介類の種類による調理方法の工夫
  • Food preparation methods meeting to the types of seafood

抄録

【目的】 愛媛県は四国地方の北西に位置し,北側には瀬戸内海に面した平野が広がり,南側には西日本最高峰の石鎚山がそびえる。また,燧灘,伊予灘,宇和海という性質の異なる3つの海域に面し,それぞれ独自の漁業が営まれ,宇和海では養殖漁業も盛んである。日本調理科学会特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の一環として行った聞き取り調査から,昭和30~40年頃の愛媛県内各地域の主菜の特徴をまとめた。<br>【方法】 平成25年11月~平成27年3月に,愛媛県内の8地域(東予:四国中央市,西条市,今治市,中予:松山市,東温市,久万高原町,南予:大洲市,宇和島市)において,各地域3~7名(60~90歳代,居住年数37年以上)の調査対象者に,特別研究の調査票に従い,同意を得た上で,聞き取り調査を行った。また同様にして,平成29年11月に1地域(東予:新居浜市)の追加調査を行った。<br>【結果】 昭和30年頃の主菜の食材種類数内訳は,東予・南予の沿岸部を中心に魚介類が79%と多く,東予平野部で肉類13%,中予中山間部および南予で大豆・大豆製品8%の順であった。魚介類の主菜としては,ハレには,えび・白身魚・貝などの法楽焼き,ふかの湯ざらし,鯛の煮付けなど,地域の高級食材や行事食特有の食材を,鮮度を活かして,焼く・茹でる・煮る等のシンプルな加熱料理にしたり,鉢盛料理の一部として豪華に飾りつけていた。ケには,小魚やそのすり身・干物・しゃこ・川魚等を中心に,焼く・茹でる・煮るに加えて,てんぷらやコロッケに揚げる等,種々の調理法により,新鮮な食材を骨ごと食べる工夫をしていた。肉類の主菜としては,東予の郷土料理として,鶏肉を甘辛く味つけした後に揚げたせんざんきおよび鉄板で焼いた焼き鳥が特徴的であった。その他に,東予でいのしし鍋,中予の焼き豆腐,南予の田楽等がみられた。

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  • CRID
    1390282763104272896
  • NII論文ID
    130007479321
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_242
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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