S-PRGフィラー含有根管充塡用シーラーの生体親和性評価

DOI
  • 田中 佐織
    北海道大学病院 口腔総合治療部 北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 宮治 裕史
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 西田 絵利香
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 宮田 さほり
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 加藤 昭人
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 眞弓 佳代子
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯周・歯内療法学教室
  • 田中 享
    北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 歯科保存学教室
  • 井上 哲
    北海道大学大学院歯学研究院 臨床教育部

書誌事項

タイトル別名
  • Assessments of Biocompatibility of Root Canal Sealer Containing S-PRG Filler

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説明

<p> 目的 : 多機能性表面処理ガラス (Surface Pre-Reacted Glass ionomer : S-PRG) フィラーは, イオン放出性を有することからさまざまな生体活性効果を示すことが報告されている. 本研究の目的は, S-PRGフィラーと酸化亜鉛を基材としたS-PRGフィラー含有根管充塡用シーラー (S-PRGS) の生体親和性を, ユージノール系シーラー (ZOES) および非ユージノール系シーラー (ZOS) と比較検討することである.</p><p> 材料と方法 : S-PRGS, ZOESおよびZOSの硬化体へMC3T3-E1細胞を播種培養し, 走査電子顕微鏡 (SEM) にて観察, 細胞生存性を測定した. 次にラットの背部皮下に硬化させた各シーラーを埋植し, 術後10日および35日の炎症性細胞浸潤の程度について光学顕微鏡で観察を行い, 数値化して評価した.</p><p> 結果 : SEM観察の結果, S-PRGS上には細胞の伸展がみられたが, ZOESおよびZOS上では細胞の伸展は観察されなかった. 細胞生存性を測定した結果, S-PRGSはZOESおよびZOSと比較して有意に高い値を示した. 皮下埋入試験の結果, 術後10日ではすべてのシーラー周囲に炎症細胞浸潤が観察されたが, S-PRGSでは軽度であった. S-PRGS, ZOESおよびZOSの術後10日の炎症スコアは, それぞれ2.16, 2.67および2.83であった. 術後35日では, S-PRGS周囲に炎症性細胞はほとんど観察されなかった. 術後35日の炎症スコアは, それぞれ0.00, 0.67および0.67であった.</p><p> 結論 : S-PRGSは, ZOESおよびZOSと比較して良好な生体親和性を示した.</p>

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