国境を超えるNGOネットワーク内に生じた異なるフレイミングとネットワークの有効性――気候行動ネットワーク(CAN)と国際協力NGO――

書誌事項

タイトル別名
  • Issue-Framing Differences between Environmental NGOs, and Development NGOs in the Climate Action Network(CAN)
  • コッキョウ オ コエル NGO ネットワークナイ ニ ショウジタ コトナル フレイミング ト ネットワーク ノ ユウコウセイ キコウ コウドウ ネットワーク CAN ト コクサイ キョウリョク NGO

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説明

<p>気候変動問題に取り組む国境を超える環境NGOネットワークである「気候行動ネットワーク(Climate Action Network: CAN)」は,資源,情報,知見,専門性の相互補完と恒常的で密なコミュニケーションによって政府間交渉に対し政策提言を行ってきた。世界全大陸から集まった多様な環境NGOが,優先課題を共有し「一致した主張(one voice)」を提示する能力は,CANが政府間交渉に対して一定の影響力を維持してきた重要な要因のひとつである。</p><p>ここ数年,適応問題が政府間交渉における最優先課題となって以来,CANにオックスファム(Oxfam)やクリスチャン・エイド(Christian Aid)などの国際協力NGOが参画するようになり,これまで科学や経済の視点から気候変動問題のフレイミングを行ってきたCANに,これまでと異なるフレイミング,すなわち「開発と貧困」「社会正義」の視点からのフレイミングがもたらされた。今後もCANはone voiceをつくることができるのか。</p><p>本稿は,異分野のNGOへのネットワークの拡大によってCANという国境を超える政策提言ネットワークに起こりつつある変化とその背景を論じ,その変化が今後のネットワークの進化に対してもつ意味について考察する。また,2つのフレイミングの基底をなす「規範や価値についての交渉と学習の場」としての,ネットワークがもつ潜在的可能性を指摘する。</p>

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