調理実習履修前後の学生の調理に関する意識の比較

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  • Comparative survey on attitudes toward cooking of university students before and after the participation of the cooking practice

抄録

<p>【目的】中食や外食の機会の増大とともに家庭での調理頻度は減少している。その中で調理実習は技術や食文化を学び,栄養学や調理科学などを踏まえた食事作りを実践的,体系的に学べる数少ない機会である。演者らの所属学科は食物学専攻ではないが,主に1年生向けに「調理学実習」を開講している。そこで,調理実習の学びの効果を知り,さらに教育効果の高い授業を目指して検討するため,実習を通した調理に関する意識の変化を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】本学現代家政学科の調理学実習の履修者1年生86人,2年生5人,計91人の学生を対象に自記式質問紙調査を行った。1回180分,15回の実習の履修前後の2回行い,回答を比較した。質問項目は,(1)居住形態や家族構成などの他,調理頻度,調理の好き嫌い,調理に対する得意・苦手意識などの項目(2)調理や食事作りに対する考え方に関して,食材の切り方や調味料の分量の理解など22項目(3)調理技術として味噌汁など18の料理,とした。結果を集計し,ウィルコクスンの符号付き順位検定等の統計処理を行った。</p><p>【結果および考察】対象者の約8割は自宅から通い,核家族であった。調理頻度は履修後が有意に高く,調理に対して履修前より得意意識を持つことがわかった。自己評価や調理に関する考え方では,食材の切り方や段取りなど14項目で履修後の方が評価が高かった。また,18中17の料理で,履修後の方がより調理ができると捉えていた。以上,半年間の調理実習を通して調理に対する意識が全体として高くなり,調理できる料理が増えたことが示された。今後の課題として,本研究は自己評価にもとづく調査であったため,外的な基準を設定した検証が必要だと考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134244352
  • NII論文ID
    130007695548
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_114
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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