品種の異なる小粒大豆で調製した納豆の発酵過程における成分変化

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in functional and taste characteristic components of <i>Natto</i> prepared with different varieties of soybean during fermentation

説明

<p>【目的】大豆に含まれる各種成分は大豆品種により含量が異なり,さらに加工操作によって成分量は変化する。そこで,品種の異なる小粒大豆で調製した納豆発酵に伴う機能性成分量と嗜好成分量について比較検討した。</p><p>【方法】スズマル(小粒黄色大豆,北海道産),黒神(小粒緑色大豆,山形県産),黒千石(小粒黒色大豆,北海道産)の3品種を用いて,常法により納豆を調製した。大豆種子および発酵0時間(蒸煮大豆),10時間,20時間,30時間の各試料におけるイソフラボン,サポニン,遊離糖の各量をHPLCで測定した。</p><p>【結果および考察】各大豆種子のイソフラボンは,マロニル配糖体と配糖体が大部分を占めていた。納豆発酵過程において,スズマルと黒神の配糖体は発酵20時間まで減少し,その後増加した。蒸煮大豆に存在しなかったサクシニル配糖体は発酵20時間をピークに増加し,その後減少した。マロニル配糖体は発酵中減少し,アグリコン量は変化がなかった。一方,黒千石は30時間発酵中,イソフラボン組成と量に変化がなく一定であった。各大豆種子はグループBサポニンが少なく,DDMPサポニンが約90%占めていた。スズマルと黒神は発酵10時間からDDMPサポニンがわずかに減少し,一方グループBサポニンは増加した。黒千石は発酵によりサポニン組成と量に変化がなかった。オリゴ糖(スタキオース,ラフィノース)量とスクロース量は発酵時間に伴い各大豆ともに減少したが,黒千石の減少量は小さかった。以上より,黒千石(黒色大豆)はスズマル(黄色大豆)と黒神(緑色大豆)と比べて,発酵中の成分変化が小さかった。種皮に含まれるポリフェノール成分の作用などにより発酵が十分に起こらなかったと推察した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134248832
  • NII論文ID
    130007695682
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_140
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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